企業の財政状態や利益を計算するための方法が会計(アカウンティング)です。そして、企業の資金の流れに関する活動が財務(ファイナンス)です。企業会計には、法律に定められた情報公開の仕組みである財務会計と、企業活動の見直しや経営計画の策定に使われる管理会計があります。
売上と利益の関係
企業活動では、売上高=利益となるわけではありません。売上を上げるために様々な費用がかかっているからです。売上を上げるためにかかる費用を売上原価といい、固定費と変動費に分けられます。固定費は、売上高にかかわらず固定でかかる費用です。変動費は、売上高によって変動する費用で、変動費率として割合を示されることもあります。
また売上高-売上原価=売上総利益(粗利益)です。利益が0となる点のことを損益分岐点といいます。
決算の仕組み
決算とは、一定期間の収支を計算し、利益(または損失)を算出することです。そのために財務諸表を作成します。半年ごとの決算を中間決済、3か月ごとの決算を四半期決算といいます。
会計基準には日本独自のものもありますが、国際的な会計基準にIFRS(国際財務報告基準)があります。
財務諸表
企業が作成を義務付けられている財務諸表の代表的なものに、貸借対照表と損益計算書があります。また上場企業ではキャッシュフロー計算書も求められます。それぞれの概要は次のとおりです。
- 貸借対照表
貸借対照表では、ある時点における企業の財政状態を表します。BS(バランスシート)とも言います。その名のとおり、会社の資産と負債、純資産(資本)の関係が資産=負債+純資産となり、完全に等しくなります。
- 損益計算書
損益計算書では、一定期間における企業の経営成績を表します。利益(Profit)と損失(Loss)を表すことからP/Lともいいます
- キャッシュフロー計算書
キャッシュフロー計算書では、一定期間のキャッシュの増減を表します。具体的には、営業活動、投資活動、財務活動それぞれによる3つのキャッシュフローで表わされます。
なお、キャッシュフロー計算書の「現金及び現金同等物の期末残高」は、貸借対照表(期末)の「現金及び預金」の合計額と一致します。
資産管理
資産管理では、在庫や固定資産をどのように管理するかを決めておくことが大切です。棚卸資産評価を行うときには、在庫の取得原価を求める方法を決めます。方法としては、先に取得したものから順に吐き出される先入先出法、合計金額を総数で割って平均を求める総平均法、仕入れのたびに購入金額と受入数量の合計から単価の平均を計算する移動平均法などがあります。
また設備などの固定資産は、購入した年の経費とするのではなく、利用する期間にわたって費用配分する減価償却という考え方があります。減価償却の主な方法には、毎年均等額を減価償却費として計上する定額法や、毎年期末残高に一定の割合を掛けて求めた額を減価償却費として計上する定率法などがあります。
減価償却を行うごとに、固定資産の価値(帳簿価額)は減価償却費の分だけ減少します。固定資産を購入する代わりに、リースやレンタルなどの方法で資産を借りることで、減価償却をせず、かかった費用をすべて経費にすることが可能です。